日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に二期的手術を行った虫垂粘液癌の巻絡による絞扼性腸閉塞の1例
田中 健太山村 和生大谷 聡安藤 修久
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2024 年 85 巻 7 号 p. 921-926

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抄録

症例は69歳,男性.腹痛と嘔吐を主訴に当院へ救急搬送された.腹部CTで終末回腸に絞扼性腸閉塞の所見を認め,腹腔鏡下に緊急手術を施行した.虫垂先端に囊腫状腫瘤を認め,同部を先進部として虫垂が回腸に巻き付いて絞扼性腸閉塞をきたしていた.虫垂粘液産生腫瘍は組織型によって切除範囲が異なることや,吻合した場合の縫合不全のリスクを考慮し,病理組織学的検査の結果次第で追加切除を行う方針として,虫垂切除と腸閉塞解除で手術を終了とした.術後病理組織学的検査で粘液癌の診断となり,後日,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.虫垂腫瘍により虫垂が巻絡した絞扼性腸閉塞に対しては,二期的に手術を行う可能性を考慮して初回手術は腹腔鏡手術が有用であると考えられたので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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