2024 年 85 巻 7 号 p. 969-973
症例は76歳,女性.右鼠径および大腿ヘルニアに対して腹腔鏡下にTAPP法で手術を施行した.手術中に反対側(左)に不顕性閉鎖孔ヘルニアを認めた.患側(右)鼠径部の腹膜剥離を反対側へ延長する「対側アプローチ」で不顕性閉鎖孔ヘルニアをメッシュで修復した.反対側(左)は過去の鼠径ヘルニア手術でメッシュプラグ法により修復されていたが,手術中に大きな合併症なく手術を完遂した.手術後,右鼠径部の症状は消失し大きな合併症は認めていない.腹腔鏡手術が普及する中,偶発的に閉鎖孔ヘルニアを発見することがある.腸閉塞のリスクを考慮して修復する際,対側アプローチは治療の選択肢になり得ると考えられた.