日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌術後化学療法中に発症した横紋筋融解症の1例
麻賀 創太松本 航一坂田 道生嶋田 昌彦
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2024 年 85 巻 7 号 p. 979-983

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抄録

横紋筋融解症は骨格筋の融解・壊死により,筋体成分が血中へ流出する病態であり,流出した大量のミオグロビンによる尿細管障害によって急性腎不全を併発し,致命的となることがある.症例は50歳,女性.右乳癌に対する初回術後化学療法を実施後3日目より前胸部痛が出現し,6日目に呼吸苦も出現したため,救急受診した.来院時の血液検査で血清クレアチンキナーゼ異常高値を,CTで外腹斜筋ならびに腹直筋の浮腫性変化を認め,横紋筋融解症と診断し,同日緊急入院となった.入院後,輸液療法を開始したが経過中に低ナトリウム血症を発症したため,その後は電解質補正と輸液量の調整を図りながら治療を継続し,腎機能障害を発症することなく入院後27病日で軽快退院となった.本症例の横紋筋融解症は,術後化学療法もしくはその支持療法に関連して発症したと考えられることから,文献的考察を加えて報告する.

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