日本臨床外科学会雑誌
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症例
門脈ガス血症を呈し遅発性に出血と狭窄をきたした虚血性小腸炎の1例
島巻 佳昂藤田 昌久釜田 茂幸石川 文彦伊藤 博
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2024 年 85 巻 8 号 p. 1061-1065

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抄録

症例は75歳,男性.経皮的冠動脈インターベンション施行後に穿刺部血腫による出血性ショックと腹痛をきたし,腹部CTで門脈ガス血症を認め,当科に紹介となった.代謝性アシドーシスを認め,非閉塞性腸管虚血を否定できず緊急手術を施行したが,腸管壊死は認めず閉腹した.手術翌日の腹部CTで門脈ガスは消失していた.第21病日に食事を開始したところ血便が出現し,下部消化管内視鏡で遠位回腸に潰瘍と露出血管を認め,同部位は狭窄していた.食事を再開したが腹痛・腹部膨満が出現したため,狭窄型の虚血性小腸炎による通過障害と診断した.第40病日に再手術を施行したが,遠位回腸に肥厚と狭窄を認めたため,小腸切除を行った.門脈ガス血症を呈する虚血性小腸炎は,虚血性変化が粘膜下層以深まで及び,その修復過程で遅発性に小腸狭窄が起こる可能性があることを念頭に置く必要がある.

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