日本臨床外科学会雑誌
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症例
32歳女性の回腸に発生した後天性腸管神経節細胞僅少症の1例
鈴木 章弘梅田 晋一岸田 貴喜服部 憲史中山 吾郎神田 光郎
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2025 年 86 巻 12 号 p. 1590-1595

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抄録

腸管神経節細胞僅少症(hypoganglionosis:以下HGと略記)はHirschsprung病類縁疾患の1病型である.新生児期から先天的に発症するものがほとんどで,成人での報告例は少なく,また小腸での発生は極めて稀である.今回,成人の回腸に後天的に生じた1例を経験したので報告する.32歳,女性.3年前から小腸閉塞を繰り返しており,保存治療で改善していた.CTで小腸拡張を認め,骨盤内小腸の閉塞を疑った.小腸内視鏡検査・注腸造影検査では器質的な病変や狭窄は認めなかった.手術歴はないが,癒着性腸閉塞を疑い手術の方針とした.腹腔鏡下観察では腸管癒着は認めなかった.小開腹し全小腸を検索したところ,回腸に攣縮様の狭窄を認めたため,同部位を含め回盲部切除術を施行した.術後腹腔内膿瘍を認め,術後第7日目にCTガイド下ドレナージを行い改善した.術後第23日目に退院した.固有筋層間の神経節細胞の減少を認め,HGと診断した.術後は症状の再燃を認めていない.

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