日本臨床外科学会雑誌
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症例
左胸腹連続斜切開で切除した左胸腔内に発育する食道胃接合部GISTの1例
木部 栞奈井上 正純鴇沢 一徳眞柳 修平坪佐 恭宏
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2025 年 86 巻 12 号 p. 1585-1589

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抄録

症例は82歳,女性.嚥下時の違和感を主訴に前医を受診した.上部消化管内視鏡にて食道胃接合部に粘膜下腫瘍を認め,生検でCD34(+),c-kit(+)でありGISTと診断した.腫瘍は最大径85mmであり,内視鏡外科手術では視野確保が困難であることと高齢であることから直視下での安全で確実な吻合を優先し,左胸腹連続斜切開での下部食道切除+噴門側胃切除+ダブルトラクト再建+空腸瘻造設の方針とした.術中所見では食道裂孔から左胸腔内に発育する腫瘍を良好な視野で確認でき,治癒切除となった.開胸操作に伴う周術期合併症の発生はなく退院し,術後3年間のイマチニブによる術後補助化学療法を行い,現在無再発経過観察中である.内視鏡外科手術の進歩により左開胸開腹の適応は限定的だが,腫瘍径や浸潤により経裂孔アプローチが困難で縦隔のリンパ節郭清が不要な症例などにおいては良い適応であり,高齢患者にも比較的安全に行えると考える.

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