2025 年 86 巻 12 号 p. 1678-1681
症例は67歳,男性.3年前に腹部大動脈瘤破裂に対して人工血管置換術を施行し,腹部コンパートメント症候群に対しopen abdominal managementを行ったが,人工血管感染をきたしたため,人工血管除去術・右腋窩動脈-両側大腿動脈バイパス術を施行した.今回,下血による出血性ショックで救急搬送され,輸血によりショックは改善し出血は一旦治まった.造影CTや消化管内視鏡で明らかな出血源は同定できず,数日おきに4度の下血による出血性ショックを繰り返した.4度目の下血時の造影CTで初めて左総腸骨動脈腸管瘻が疑われる所見を認めた.腸管腹腔内癒着なども考慮して開腹手術は回避し,腸骨動脈塞栓術による診断的一次治療を行った.以後,再出血を認めなかったため,腸骨動脈腸管瘻の確定診断とした.術後5年経過したが,二次治療なしで合併症なく慎重なフォローを継続中である.