2025 年 86 巻 3 号 p. 346-355
Solid papillary carcinoma (SPC)は,稀な乳房の乳頭状腫瘍で,しばしば浸潤を伴う.当院で経験したSPC 13例の臨床病理学的検討を行った.平均年齢70.6歳.主訴は乳頭分泌5例,腫瘤6例,検診異常2例.多くのSPCは浸潤所見が乏しい画像所見を呈した.全例に乳房手術が施行され,12例にセンチネルリンパ節生検が施行された.非浸潤癌5例,浸潤癌8例で,エストロゲン受容体は全病変が強陽性,プロゲステロン受容体(PR)は11例が強陽性,2病変が陰性であった.HER2は全例で過剰発現がなかった.核グレード分類やKi67が低い症例が多く,全例で腋窩リンパ節転移や遠隔転移はなかった.PR陰性,Ki67高値の1例に肺転移再発を認めた.SPCは個々の症例で浸潤部の正確な評価が治療戦略の決定や予後の判定に重要である.