日本臨床外科学会雑誌
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症例
Pembrolizumabを含む術前化学療法中にACTH単独欠損をきたした乳癌の1例
真田 知佳川﨑 賢祐
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2025 年 86 巻 4 号 p. 489-494

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抄録

KEYNOTE-522試験により高リスクの早期トリプルネガティブ(TN)乳癌患者におけるpembrolizumab(pembro)の有用性が示され,当院においてもpembroを含めた周術期治療を開始している.今回われわれは,pembro施行中の免疫関連下垂体炎によるACTH単独欠損および続発性副腎不全をきたした症例を経験したため報告する.

症例は56歳の女性.診断は浸潤性乳管癌,高悪性度TN乳癌 T2N1M0 Stage IIBであった.前半4コース施行後から倦怠感や食欲不振が増悪し,低ナトリウム血症,著明なコルチゾールおよびACTHの低下を認めたため,pembroによるACTH単独欠損および続発性副腎不全と診断した.ステロイドの補充にて症状の改善を認め,後半はpembroを休薬とし,手術を施行した.最終病理診断ではpCRが得られ,ステロイドの内服を行いながらpembroの投与を継続している.

致死的になりうる前に診断し,治療介入を行うことが重要である.乳癌患者における報告は初めてであり,今後更なる症例の蓄積が必要である.

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