日本臨床外科学会雑誌
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症例
鑑別困難であった思春期乳房の結節性筋膜炎の1例
島田 雅之永田 彩成井 理加小川 高史白 英榎戸 克年
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2025 年 86 巻 4 号 p. 482-488

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抄録

症例は18歳,女性.家族歴,既往歴に特記事項なし.半年前から右乳房に時折皮下出血を認め,自然消退する経過を繰り返していた.3カ月前に右乳房腫瘤を自覚し前医を受診し,超音波検査で右C区域に約11mmの腫瘤を認め,吸引式組織針生検を施行するも鑑別困難であり当科を受診した.右C領域に弾性硬な約10mmの腫瘤を触知し,マンモグラフィで右U領域に構築の乱れを認めた.超音波検査で右C区域に約12mmの構築の乱れを伴う境界不明瞭な不整形低エコー腫瘤を認め,MRIで同部位に約16mmの造影効果を認めた.前医針生検標本の見直しで錯綜する紡錘型細胞を認め,免疫染色でα-SMA陽性であり平滑筋系腫瘍が示唆された.細胞密度が高く,Ki-67 10%と境界悪性病変が否定できず右乳房腫瘤摘出術を施行した.術後病理組織診断では軽度から中等度の核腫大を示す紡錘型細胞が錯綜するように増殖し,免疫染色ではα-SMA陽性,CD34陰性であり,結節性筋膜炎が示唆された.文献的考察を加え報告する.

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