2025 年 86 巻 8 号 p. 1045-1049
症例は75歳,男性.4年前にロボット支援下前立腺全摘術・骨盤内リンパ節郭清が施行されていた.左下腹部痛を主訴に当院へ救急搬送された.腹部造影CTで左外腸骨動脈による絞扼性腸閉塞と診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下に観察すると,露出した左外腸骨動脈と腹壁との間隙に小腸が嵌頓していた.整復を試みたが困難であったため,開腹手術に移行した.小腸は30cmほど壊死しており,回盲部切除を行い機能的端々吻合で再建した.術後経過は良好で,術後9日目に退院した.骨盤内リンパ節郭清は泌尿器科領域のみならず,婦人科癌や直腸癌においても普及しており,腹腔鏡手術およびロボット支援下手術では術後の癒着が軽減される.今後,本症例のような遊離した残存組織による絞扼性腸閉塞は増加する可能性があり,骨盤内リンパ節郭清の病歴がある際には絞扼の原因となる索状物が脈管でないか注意する必要がある.