2026 年 87 巻 1 号 p. 71-74
症例は79歳の男性.63歳時に前立腺癌に対し鏡視下前立腺全摘除術,74歳時に術後腹圧性尿失禁に対し人工尿道括約筋埋め込み術を施行されている.4カ月前から右鼠径部の膨隆を自覚し,疼痛も出現してきたため当科を受診.右鼠径ヘルニアと診断した.腹部CTでは人工尿道括約筋の圧調整バルーンとコードが鼠径管の近傍を走行しているのが確認された.手術はmesh plug法を施行し,合併症なく術後5日目に退院した.人工尿道括約筋留置側鼠径ヘルニアは埋め込まれたデバイスの保護が肝要であり,onlay meshを用いた鼠径部切開法が有用な術式である.