【目的】質の高い鍼灸の臨床研究デザインについて啓発を図る目的で、 18施設の教員28名を対象に、 腰痛の被験者評価者マスク・sham鍼対照RCTの模擬実践を行った。
【方法】対象者を評価者、 治療者、 被験者に分けてそれぞれの役割を担当しながら研究デザインの理解を深めさせた。 この試みの教育効果を評価するために、 模擬RCT実践前後にEvidence-Based Medicine (EBM) の必要性、 RCT用語の理解度についてVisual Analogue Scale (VAS) を用いた質問調査を行った。
【結果】RCTの理解度はVAS値が58.0±27.2から75.7±25.7に上昇し、 また、 RCT用語の理解度も上昇した。 模擬終了後に19名が今後RCTの実施および教育への導入を検討すると回答した。
【結論】模擬RCTはRCTの理解度を高め鍼灸教育への導入を促進させる効率のよい実践法であることが示唆された。