抄録
近年、 社会構造の急速な変化の中で求められる医療の形も変わりつつあり、 鍼灸業界においても今後の方向性を模索する必要がある。 そこで医療の中心である 「患者」 をキーワードとし、 「患者のための鍼灸学とは何か?」 という視点から議論を行った。
その結果、 日本鍼灸の長い歴史の中で行われてきた数多くの臨床・教育・研究は、 すべて 「患者のため」 であることは事実だが、 その検証方法や各領域の連携については改善の余地があり、 本当の意味で患者の視点に立った鍼灸学を構築する必要性があることが確認された。