全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
パネルディスカッション
未来を変える 「評価」 の取り方
学会発表にあと一歩が踏み出せないあなたへ
伊藤 千展松田 えりか大川 祐世脇 英彰松浦 悠人
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 75 巻 1 号 p. 54-66

詳細
抄録

症例報告は1例の経過を詳細に記述する研究であり、 臨床家にとって最も身近な研究様式である。 たとえ1例であっても、 臨床現場の最前線で得られた知見は将来の研究や臨床のヒントとなる可能性があり、 症例報告の質を高めることは鍼灸の科学的根拠を強めることにつながる。 そのため、 鍼灸師は日々の臨床で得られた経験をもとに症例報告を積極的に行っていくことが望ましい。 ただし、 症例報告を有意義なものにするためには、 正しく 「評価」 されている必要がある。 鍼灸臨床における評価は、 病態の評価と治療成果 (アウトカム) の評価に大別される。 病態の評価は、 問診や身体診察を通じて患者の現在の状態を把握するものであり、 アウトカムの評価は治療後の患者の変化を評価するものである。 ここでいう 「評価」 とは、 後者の患者の変化を観察するための 「アウトカム評価」 のことである。 本稿では、 泌尿器症状や慢性腰痛を切り口にして、 実際に日々の臨床の中でどのように患者のアウトカムを評価し、 どのように活かし、 どのように学会発表まで至らせるのか、 またその意義について述べた。 学会発表にあと一歩が踏み出せないあなたの未来を拓く一助としていただきたい。

著者関連情報
© 公益社団法人 全日本鍼灸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top