1985 年 35 巻 2 号 p. 126-131
循経感伝現象 (Propagated Sensation along the Channels, PSC) とは, 鍼刺などを用いて経穴を刺激する際に, 若干の人々に出現する経絡に沿って分布する特殊な感覚伝達現象のことをいう。
今回は, 鍼灸治療を受けている通院患者を対象に, 疾患別にPSCの出現率を検討した。
12経絡の井穴を基本にして, それに内至陰を加えて全部で26ヵ所に低周波〓鍼刺激を行い, 中国での方法と同様に, 4段階に分けて判定した。
その結果, 通院患者は健康青年に比べて有意に出現率が高く, なかでも, ムチウチ症や高血圧症患者などは, その他の患者よりも出現率が高かった。