抄録
19遺体において, 喉頭隆起の高さを基準に取穴した人迎穴38例に針を刺入し, 刺入部位と頸動脈分岐部との位置的関連を調べた。刺入部位は, 38例すべてが分岐部にあたらず, 4例は下方の総頸動脈に刺入され, 他の34例では全てその内方で, 高さも頸動脈分岐部に比べ低かった。頸動脈分岐部は喉頭隆起の高さよりかなり上方に位置し, その高さの平均は左側で上方32.8mm (最大52mm, 最小11mm), 右側で29.9mm (最大48mm, 最小8mm) であった。頸動脈洞への刺針に際しては, 喉頭隆起より上方の舌骨を基準とする方が頸動脈洞にあたる可能性が高いことが示唆された。