2018 年 72 巻 1 号 p. 40-47
本研究では、構造内のS-O結合をC-O結合に変化させた炭酸型エトリンガイトを用いて、加熱脱水したエトリンガイトの再吸水に伴う水分吸着性状について検討した。その結果、炭酸型エトリンガイトは加熱脱水により非晶質化し、構造内の6配位Alが4配位および5配位へと変化した。また加熱脱水後にRH66%以上で再吸水した場合、Al配位数は6に戻り、再結晶化した。さらに、非晶質化した炭酸型エトリンガイトが再結晶化する際、大量の水分吸着が生じた。通常のエトリンガイトも同様の挙動を示したことから、エトリンガイト構造中の4配位や5配位のAlが6配位に変化する際に多量の水分を吸収して、エトリンガイトの膨潤が生じる可能性があるものと考察した。