血圧波計および最高・最低血圧値を連続的に計測する容積補償式の間接的血圧計を用い, 正常血圧の健康成人23名を対象に, 洞刺による血圧の変化および効果の持続時間について検討した。鍼刺激中の収縮期血圧の変化は平均で7mmHg下降, 抜鍼後1~10分間では10mmHg下降, 11~30分間では14mmHgの下降が認められた。拡張期血圧については刺激中の平均で6mmHg下降し, 抜鍼後1~10分で9mmHg下降, 11~30分後で12mmHgの下降が認められた。両血圧の低下は統計上有意であったが, 脈圧および心拍数については有意な変化は認められなかった。容積補償法による間接的連続血圧測定は無侵襲であるため, 施鍼に対する血圧応答の評価に有用と思われた。