全日本鍼灸学会雑誌
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腎兪刺鍼の尿排泄量に及ぼす特異作用に関する検討
篠原 昭二石丸 圭荘田和 宗徳北出 利勝甲田 久士呉 志宏山川 緑鈴山 博司咲田 雅一
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1989 年 39 巻 2 号 p. 246-251

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抄録

腎兪穴刺鍼の利尿効果並びに, その効果が特異的な効果であるかどうかについて検討した。健康成人男子15名を対象として採血後水500mlを飲用した後, 腎兪穴へ10分間刺鍼を行い1時間後に採尿した。採取した尿および血液は, 尿量, 尿酸, クレアチニン, 尿素窒素, Na, K, Cl の測定を行った。
次いで, 特異作用について検討するために, 1) と同様な方法で11名を対象として, 無刺激コントロール, 腎兪穴刺鍼, 挟脊穴刺鍼, 志室穴刺鍼, 胃兪穴刺鍼, 大腸兪穴刺鍼の6回の実験を行って, 尿排泄量を比較した。その結果, 腎兪穴刺鍼, 挟脊穴刺鍼, 志室穴刺鍼において有意な尿量の増加が観察された。以上のことから, 刺鍼による尿排泄量の増加は, 腎兪穴刺鍼によるつぼの特異的効果というよりも, 内臓体表反射機転を介するものと考えられた。

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