抄録
我々は, 変形性膝関節症に低出力レーザーと鍼治療を臨床応用し, 階段昇降時痛・膝関節の可動域・圧痛を指標として鎮痛効果を比較検討した。その結果, 鍼治療では, 治療直後において, 階段昇降時痛・関節可動域に有意な改善が認められた。レーザー治療では, 治療直後において, 階段昇降時痛・関節可動域・圧痛に有意な改善が認められた。鍼治療とレーザー治療を比較したところ, 階段昇降時痛・関節可動域については両者の間で, 有意な差は認められなかった。以上のことから, 変形性膝関節症の痛みに対して低出力レーザーは鍼治療と同様に有用であると推測された。