全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
灸療による慢性健康障害をもつ病人のケア (第2報)
灸療を活用した東洋医学的ケアシステムの役割と課題
山下 仁光藤 英彦
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 41 巻 4 号 p. 359-365

詳細
抄録

当研究所のケアシステムの役割と課題について, カルテ群の調査とケーススタディーを通して検討した。
カルテ群の調査から, 自宅施灸指導に対する調査対象患者のコンプライアンスは全般的には良好であるが, 女性の背部施灸のコンプライアンスは低いことがわかった。またケーススタディーから, いわゆる現代の専門医療と, 当研究所の東洋医学的ケアとの, identity の違いを明確にした。
検討の結果, 灸療を活用した東洋医学的ケアシステムは, 今日の医療の中で, 補完的役割を担えることが示唆された。また, 灸療の効果的な活用を妨げる因子の一部について, より具体的な探索を行うことが出来た。

著者関連情報
© 公益社団法人 全日本鍼灸学会
次の記事
feedback
Top