全日本鍼灸学会雑誌
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ヒト合谷相当部における Substance-P 陽性線維とリンパ系の関連について
山田 鑑照星野 洸渡 仲三
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1994 年 44 巻 2 号 p. 149-154

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抄録

ヒト合谷相当部と周辺非経穴部の皮膚を採取しH・E染色法を行った。その結果神経・血管の分布は経絡外非経穴部, 経絡上非経穴部, 経穴部の順に多く観察された。また, 同部位を酵素抗体法により Substance-P 陽性線維を観察した。その結果 Substance-P 陽性線維は経穴部に多く存在し, しかもリンパ管に密接に関連して走行していることが観察された。この所見は経穴刺激により分泌された Substance-P がリンパ管に吸収され, リンパ節でリンパ系を刺激する機序の発端部位を示唆するものと思われた。さらに経穴部に発達した平滑筋を有するリンパ管が多く見られる事が蛍光染色により確認され, これが, Substance-P により刺激され, 過敏な者は循経感伝現象として感じるものと推測された。

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