全日本鍼灸学会雑誌
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モグサの研究 (4)
篩について
織田 隆三
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1995 年 45 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

モグサの製造工程を大別すれば 1. 石臼による粉砕, 2. 篩による不要部分の除去, 3. 唐箕による精製の3工程からなる。今回は2番目の篩過について報告する。
現在モグサ製造用に主として使われているのは円篩 (まるどおし) と呼ばれる円筒形の回転運動を行う篩である。この篩は金網と竹の簀から構成されたモグサ業界独特のものであって直径50~80cm, 全長1.5~4.0m, はじめの約3/4が金網, 後方約1/4が竹の簀である。回転の速度は15~30r.p.m. である。出口は入口に対してやや低く, 3°~7°のゆるやかな傾斜がつけられている。
水平に往復運動を行う通常の振動型篩も補助的に併用される。
なお現在の形態の篩がモグサ業界で使用されるに至った経緯に関する史的調査も併せて報告する。

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