全日本鍼灸学会雑誌
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微小組織損傷としての鍼刺激
病理組織学的検討
米山 榮尾崎 朋文于 思米山 義竹田 博文
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1995 年 45 巻 3 号 p. 192-197

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抄録
近年, 鍼治療に関するメカニズムの研究は進歩した。しかし, 生理学的方法によるアプローチがそのほとんどを占め, 生体への鍼刺激は微小な組織損傷から始まるという視点に立脚しての形態学的研究はほとんど見られない。今回, 我々は組織学的観点から生体への鍼刺激のメカニズムについて検討した。まず, 生体では遺体解剖例を用い皮膚から筋層までの組織構造を確認した。遺体では皮下あるいは筋組織内の筋内膜に無髄神経自由終末 (径, 1.5μm, Group III or IV) が存在した。次に, 生体組織 (剖検) と動物組織を用い0.20~0.95mmの径の異なった針を用い針刺入時の組織損傷度を検討した。その結果, 針の径に比例した組織損傷が生じていることが確認された。このことより鍼刺激は明らかな微小組織傷害であることが証明された。また, 動物組織にて損傷部位の近接した筋内膜に生体組織と同様の無髄神経自由終末が認められた。以上のことより, 微小組織損傷という鍼刺激には形態学的には Group III あるいは Gpoup IV 線維に関連がある可能性が示唆された。
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