抄録
鍼灸治療における感染防止の指針が刊行されて3年有余の歳月が経過した。そこで鍼灸治療での環境衛生の取り組みや、感染防止の意識がどの様に変化したかを調査した。対象は、大阪府と京都府の鍼灸師会に所属する会員とした (n=349)。その結果、感染に対する不安は約7割強が感じていた。院内の清潔保持に対する関心は8割弱と高かった。使用鍼はディスポーザブル鍼と再使用鍼の併用が過半数 (57%) を占めた。使用後の鍼は、約半数が滅菌処理をせずに廃棄をしていた。リネン類の患者毎の交換は、枕カバーが約7割であったのに対して、タオルとシーツはそれぞれ2割と1割であった。白衣は、1週間以内に約7割が交換していた。院内の清掃はほとんどが毎日行っていると答えたが、スリッパの消毒は過半数が行っていなかった。カーテンの洗濯は、3ヶ月~6ヶ月毎に行うと回答した者が約半数であった。オートクレーブの設置率は90%に留まり、100%ではなかった。自己感染の予防対策では、臨床経験を積むにつれて関心が薄れる傾向が見られた。