全日本鍼灸学会雑誌
Online ISSN : 1882-661X
Print ISSN : 0285-9955
ISSN-L : 0285-9955
原著モグサの研究 (11)
産地について (2)
織田 隆三
著者情報
キーワード: モグサ, モグサの産地
ジャーナル フリー

1999 年 49 巻 2 号 p. 283-291

詳細
抄録

わが国のモグサ主産地は江戸初期には岐阜・滋賀の二県だったが現在は新潟県である。この主産地変遷の過程や理由を明らかにしたいと考えこの研究を行った。江戸期については前回報告したので今回は明治以降 (1868~1998年) の分を報告する。
1870年代には富山県が国内最大の産地だった。福井・新潟・石川三県がこれに続いていたが1930年前後には新潟県が日本一になっていたようである。現在高級モグサはほぼ百%新潟県で造られている。富山、滋賀両県でも造るが極めてわずかである。昭和の一時期長野・愛媛・福島・群馬県や北海道でも製造されたが今は途絶えている。
新潟県が主産地になった理由は (1) 原料用ヨモギが豊富且つ良質であること、 (2) モグサの製造は冬季に行うが新潟では冬に人手が得やすく人件費が安いことの二点である。

著者関連情報
© 公益社団法人 全日本鍼灸学会
次の記事
feedback
Top