抄録
東洋医学の考え方は、生体を小宇宙として総合的に捉えるとされている。現在、一般的に用いられている五行関係を理解するための五行関係図は、五行間のすべてを矢印により接続しているため、五行が関わり合う方向を示しているに過ぎず、全体の把握をしているとは言えない。これに対し、現代の工学系における制御理論では、複雑系を複雑系のまま理解するための理論が用いられている。
そこで我々はこの理論を用いて、五行関係を総合的に解釈するための試みとして、新しい五行関係モデル作成した。その結果、相生関係と相克関係とをドラスティックに変化するものとして捉えることができ、相生関係と相克関係を同時に理解し、五行全体の変化を如実に表現することができるようになった。この五行関係法則の基本モデルにより、今後疾病モデルの作成と治療理論の解釈ができる可能性が示唆された。