全日本鍼灸学会雑誌
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愛媛東医研の抱えてきた2つの課題 (診療上の課題と研究上の課題)
光藤 英彦丹澤 章八
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2003 年 53 巻 5 号 p. 578-587

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抄録

筆者等の施設は、1979年公立の伝承東洋医術の研究施設として設立された。
設立にあたり、設立者である愛媛県と医師会のそれぞれから医療上の使命が与えられた。それは、「医師のリーダーシップのもとに伝承東洋医術を提供せよ」という大変重い使命であった。
私どもは幸いにもクライエント一人一人の健康上のニードを体系的に調査するための方法として時系列分析の発想が与えられ、更に技術を吟味するための時系列ケアシステム及び時系列オーディットシステムが与えられ、これによってチーム医療に関わるスタッフに共通の認識・視野が与えられるとともに私どもの診療の独自性が確立されその結果、トレーニングされた総合診療科医によるチーム医療のリーダーシップが発揮され、重い医療上の使命を達成することが出来た。
一方、板倉武先輩等から与えられた伝承東洋医術の各技術の指示 (適応) に関する科学的研究をすすめる使命についても、野外科学的研究方法としての時系列ケアシステムが与えられ、研究上での使命にも取り組むことが出来ているのみならず、二次的に各スタッフの治療レベルの向上にも卒後研修にも有用性が発揮できている。

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