土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
和文論文
きのこ培地(焼酎粕・でん粉粕)に含まれる臭気物質の同定とヤマブシタケ菌糸による消臭に関する基礎研究
山内 正仁松元 皓隆山田 真義八木 史郎村山 陵山口 善敬山口 隆司
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 68 巻 2 号 p. 85-92

詳細
抄録
 本研究では,まずきのこ栽培用の焼酎粕・でん粉粕培地の臭気物質の同定と定量を行った.その結果,アセトイン,酪酸,ジアセチルが主成分となり,これらにその他の臭気物質が混ざり合うことで独特の不快な臭いを発していることが示唆された.また,これらの臭気物質は培地に菌糸が蔓延するにつれて消失した.つぎに液体培地を用いて,主成分の臭気物質の消臭メカニズムを検討した.その結果,これらの臭気物質は菌体外酵素の働きで消失している可能性は低く,きのこ菌糸そのもので分解されている可能性が高いことが示唆された.さらに,臭気指数およびにおいの質について調査し,焼酎粕・でん粉粕培地の臭いは,培養が進むにつれて培地本来の酸っぱい臭いから,きのこの匂いへ,においの質が変わると同時に,臭気指数は減少することが明らかになった.
著者関連情報
© 2012 公益社団法人 土木学会
次の記事
feedback
Top