抄録
【目的】全身の癒痛や倦怠感を主訴とする患者に対して、線維性筋痛症候群の概念を取り入れた鍼治療を試みた。
【症例および方法】44歳の女性で、事故3週間を過ぎた頃から症状が肩・頚部を中心とした全身の痺痛・疲労感に変化し、次第に睡眠障害が見られるようになったため鍼治療の開始となった。治療効果の評価には、VAS (痛みの状態) ・PDAS (痺痛生活障害評価尺度) ・全身の圧痛閾値を用いた。
【結果】当初、鍼治療は全身的な治療を基本とし、症状が強いときは肩・頚部の局所治療を行ったが、13回の治療にも関わらずVASやPDAS変化が見られなかった。全身の各部位に圧痛が存在していたため、14回目以降は線維性筋痛症候群の概念を取り入れて鍼治療を行ったところ、17回目にはVASの低下と圧痛閾値の上昇が見られ、それに伴いPDASも改善した。
【考察】全身の痺痛や倦怠感を主訴とする疾患には線維性筋痛症候群の概念を取り入れ