日本臨床麻酔学会誌
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原著論文
帝王切開術における硬膜外カテーテルの材質の違いによる血管損傷頻度の検討
大藤 純林 喜代竹内 啓人吉井 徹哉小久保 荘太郎
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2004 年 24 巻 2 号 p. 88-90

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抄録

脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔により帝王切開術を施行した妊産婦811症例(アメリカ麻酔学会術前評価分類PS IまたはII)を, 曲がりにくく硬いナイロン製の硬膜外カテーテル(TERMOエピニードTM)を使用した404症例(T群)としなやかで軟らかいポリウレタン製のスパイラル構造の硬膜外カテーテル(Arrow FlexTip PlusTM)を使用した407症例(A群)に分け, 血液の逆流の有無によりカテーテル挿入に伴う血管損傷頻度を比較検討した. 血管損傷はT群では404症例中22例(5.4%)に認められたのに対し, A群では407症例中1例もなく, 血管損傷はT群で有意に多かった(p<0.01). 妊産婦においても軟らかい材質のカテーテルを用いることにより血管損傷の頻度を著明に減少させることができる可能性が示唆された.

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© 2004 日本臨床麻酔学会
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