2004 年 24 巻 7 号 p. 263-269
適切な術前評価は, 安全な周術期管理の第一歩である. 本研究では術前診察時に術前合併症が存在した頻度と術前検査項目ごとに異常値が認められた頻度を調べ, それらの術前評価結果と術中・術後合併症発生の関連性について年齢別に検討した. その結果, 高齢になるほど術前合併症, 検査値異常の発生頻度およびそれらに関連した術中・術後合併症の発生頻度が高くなった. したがって, 各年齢層に応じた術前評価が必要であり, 今後, わが国でも, 患者の年齢と術前状態に応じた術前評価に関するガイドラインの作成が望まれる.