日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第23回大会 シンポジウム—
これからの脳外科麻酔の方向性 —麻酔科医の描く将来像—
CEA手術の麻酔
中川 五男
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2005 年 25 巻 4 号 p. 387-394

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抄録
  頸動脈内膜剥離術 (CEA) の麻酔は術中・術後管理のみならず, 個々の患者が抱える術前の病態を把握しておくことが麻酔科医にとって重要である. 今回はわれわれが行っているモニタリングを中心に本疾患の病態を評価し, CEA手術の麻酔をいかに行うかを検討した. CEA適応症例では循環器系合併症が多く, とくに両側狭窄例では虚血性心疾患の合併率が高かった. 術前より脳血管反応性が著しく低下している症例があり, このような例では術後hyperperfusion syndromeを発生する危険性が高く, 綿密な循環管理が必要となる. 脳虚血に対する術中モニタリングとしてわれわれはSEP, stump pressure, 近赤外分光法 (NIR) , TCD, 内頸静脈血酸素飽和度 (SjvO2) などを使用している. これらのモニタリングはそれぞれが何を反映するかが異なり, またその有用性にも差があるため, 単一のモニタリングでは適切な脳虚血の評価が困難なことがあり, すべての結果を総合的に検討し病態を評価すべきである.
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© 2005 日本臨床麻酔学会
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