日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
ファロー四徴症のanoxic spellにランジオロールが有効であった1例
大森 亜紀中畑 克俊山田 伸弘中 康雄伊良波 浩畑埜 義雄
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2005 年 25 巻 7 号 p. 662-665

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抄録
  症例は2歳, 男児. 生後よりファロー四徴症と診断されていた. 今回, 心室中隔欠損閉鎖術, 右室流出路筋肉切除および肺動脈弁切開術が施行された. 手術中, 脱血管挿入中に突然経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) が100%から92%に, 収縮期血圧が100mmHgから60mmHgに低下した. Anoxic spellを疑い, ランジオロール0.4mg/kgを投与したところ, SpO2, 血圧ともに速やかに回復し, 高度徐脈, 心不全などの合併はなかった. ランジオロールがファロー四徴症児のanoxic spellの治療薬として有用である可能性が示唆されたが, その至適投与量については今後の検討を要する.
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© 2005 日本臨床麻酔学会
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