日本臨床麻酔学会誌
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第11回硬膜外麻酔研究会
止血異常の概観 —血液学の立場から—
檀 和夫
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2006 年 26 巻 1 号 p. 108-114

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抄録
  止血は凝固系と線溶系という相反する作用をもつ機構とこれらの働きをコントロールしている凝固制御系, 線溶制御系というさらに精緻なメカニズムにより成り立っている. 止血は, 血小板による一次止血と, 凝固因子による二次止血, さらにこれらに引き続き起こる線溶により完了する. これらの止血機構に異常をきたす疾患および病態には, 血小板の数的・機能的異常, 先天性および後天性の凝固因子異常などがあるが, 手術および麻酔に際して最も注意を要するのは, さまざまな薬剤により引き起こされる止血異常であろう. とくに抗血栓療法に用いられる抗血小板薬, 抗凝固薬についてはその休薬時期, 開始時期を含めて慎重な対応を要する.
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© 2006 日本臨床麻酔学会
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