抄録
近年, 欧米を中心に末梢神経ブロックが脚光を浴びている. 麻薬や硬膜外ブロックを用いた術後鎮痛に代わる第三の鎮痛法として末梢神経ブロックが見直されてきたのである. 末梢神経ブロックは決して新しい技術ではないが, 今まで麻酔・鎮痛法の主流を占めることはなかった. これは, 従来のランドマーク法, 通電刺激法を用いたブロックではその効果の確実性, 安全性, 手技の容易さなどに問題があったためと考えられる. しかし, 近年, これらの問題点は超音波画像ガイドによって克服できることがわかってきた. 本稿では超音波ガイド下末梢神経ブロックの利点, 手技上の注意点などについて概説したのち, 主要な神経ブロックの手技の実際を紹介する.