日本臨床麻酔学会誌
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シンポジウム「無痛分娩と硬膜外麻酔」
硬膜外麻酔が分娩経過に及ぼす影響とその対策
中川 智永子
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2008 年 28 巻 1 号 p. 173-178

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抄録
  硬膜外無痛分娩が, 分娩経過や分娩様式に及ぼす影響とその対策について, 現在まで行われてきた多くの研究をもとに述べる. 硬膜外無痛分娩中にオキシトシン使用頻度は増え, 分娩第 I 期は延長するという報告が多いが, 分娩第 I 期の長さについては, いまだ議論が続いている. 分娩第 II 期まで十分な鎮痛を行うかぎり, 分娩第 II 期は延長し, 器械分娩は増える. しかし, 帝王切開術は増加しない. 母体と胎児両方の状態が良いことが確認されているかぎり, 時間のみを根拠に分娩を完了させようとしないことが大切である. また, 陣痛が始まっていれば, 子宮頸管開大のみを基準に硬膜外麻酔開始を遅らせる必要はない.
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© 2008 日本臨床麻酔学会
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