日本臨床麻酔学会誌
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シンポジウム「無痛分娩と硬膜外麻酔」
硬膜外無痛分娩—母体・胎児への影響とその対策—
加藤 里絵
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2008 年 28 巻 1 号 p. 165-172

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抄録
  硬膜外無痛分娩は, 強力な鎮痛効果を提供しながら母体呼吸器系や循環器系への負担を減らし, 胎児への酸素供給量を維持するという大きな利点をもつ. これらの特徴から硬膜外無痛分娩は, 呼吸器疾患, 循環器疾患, 脳血管障害, 筋疾患, 妊娠高血圧症候群などの疾患を合併する産婦に対して良い医学的適応となる. 一方, 硬膜外無痛分娩の合併症には, 低血圧, 硬膜外カテーテルの血管内・くも膜下への迷入, 神経障害, 硬膜外血腫・膿瘍など, 手術室における硬膜外麻酔の一般的な合併症も含まれるが, 無痛分娩に特有の留意点があり注意が必要である. さらに, 硬膜外無痛分娩に特徴的な合併症として, 胎児一過性徐脈, 母体体温上昇があげられる.
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© 2008 日本臨床麻酔学会
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