日本臨床麻酔学会誌
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—日本臨床麻酔学会第26回大会 パネルディスカッション—女性麻酔科医だからできること
患者に優しいインフォームドコンセント—育児, 介護, 看取りの経験を生かそう—
中村 久美
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2008 年 28 巻 2 号 p. 252-258

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抄録

  男女差は生物学的要因だけでなく社会的要因にもよっている. 女性医師は男性医師よりも多くの時間を, 育児, 老親の介護, その他の家族的な問題にあてている. しかし, これを否定的にばかりとらえるべきではない. このような経験は, 手術や麻酔に直面している患者やその家族の精神的側面を理解する力を養い, インフォームドコンセントに大いに役立つ. 男性医師も, 同様の力を獲得するためにも, 自分の家族のためにもっと時間を割くべきである. 性差別の解消は, 女性に男性同様の権利を与えること (いうなれば, 女性の男性化) だけではなく, 男性にも家族のためや趣味を含めた社会的活動のための時間を与えることによってなされるべきである.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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