日本臨床麻酔学会誌
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講座
歯科外来における鎮静法
見崎 徹大井 良之
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2008 年 28 巻 3 号 p. 431-438

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抄録

  歯科治療 (特に局所麻酔) は, 患者にとって痛みを伴うことから不安感や恐怖心が強い場合が多く, 特に高齢者や医科疾患を有する場合にはさまざまな偶発症を引き起こす原因ともなっている. 歯科治療をより安全に行うために, 意識を保った状態で不安感や恐怖心を軽減する患者管理法として, 精神鎮静法 (psychosedationまたはconscious sedation. 意識下鎮静法) が30年以上前から行われている. 精神鎮静法は2種類に大別され, 30%以下の亜酸化窒素を70%以上の酸素とともに鼻マスクなどから吸入させる亜酸化窒素吸入鎮静法 (nitrous oxide inhalation sedation) と, 抗不安薬, 静脈麻酔薬や鎮痛薬を静脈投与する静脈内鎮静法 (intravenous sedation) がある. 最近では一般歯科治療以外に, 口腔インプラント手術や埋伏歯抜歯の際などにも併用される機会が増えている.
  本稿では, 歯科外来における鎮静法の有用性を, それぞれの歴史的背景, 特徴, 文献的検討などを交えて解説する.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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