日本臨床麻酔学会誌
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ロクロニウムの上手な使い方(第1回)
麻酔維持におけるロクロニウムの使い方
笹川 智貴岩崎 寛
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2008 年 28 巻 4 号 p. 655-669

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抄録

 筋弛緩薬投与を行う際, 特に麻酔科医の頭を悩ませるのは術中の維持投与法である. 術中の体動や咳嗽反射を起こさず, かつ手術終了とともに素早く回復する状態に保つことが目標となる. ロクロニウムはベクロニウムとほぼ同等の作用持続時間をもつため, 従来の間欠的投与法でも大差なく使用することはできる. しかしこのほかにも持続投与法, 目標制御注入法 (target controlled infusion: TCI) のような各種投与法が存在するため, 状況に応じて使用する必要がある. 共通する投与のポイントはこれらの投与法の利点・欠点をふまえ, 筋弛緩モニターを有効に使用するとともに薬物動態を意識して投与することである.

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© 2008 日本臨床麻酔学会
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