抄録
開腹外科手術では手術中も筋弛緩を必要とするが, なかでも腹膜閉鎖時には十分な筋弛緩を得る必要がある. 一方, 手術終了時には確実に拮抗可能な状況であることが望ましい. このように腹筋あるいは横隔膜において深い筋弛緩状態を評価する手段として母指内転筋におけるpost-tetanic count (PTC) と皺眉筋における四連刺激の二つの方法があり, いずれかのモニタリングによる評価が有用である可能性が高い. 眼科, 耳鼻咽喉科手術, 形成外科手術における短時間手術に対応する手段としては, 気管挿管時の使用量を0.45mg/kgあるいは0.3mg/kgまで減量することによって短時間手術に対応が可能となる.