日本臨床麻酔学会誌
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ロクロニウムの上手な使い方(第2回)
ロクロニウムの一般的臨床使用の実際—心臓・大血管手術—
山蔭 道明吉田 真一郎
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2008 年 28 巻 5 号 p. 852-857

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抄録
 心・大血管手術は, 呼吸・循環・体温・電解質といった重要な生理学的パラメータを大きく変化させる. 大侵襲ではあるが, 早期抜管・早期離床を目指すことが患者の利益となる. ロクロニウムは作用発現が速いため, 他の手術と比較して多く使用する麻薬による筋硬直に対しても有利に働く. また, 代謝物が筋弛緩作用をほとんどもたないことから, 筋弛緩作用の遷延が減少し, fast-track anesthesiaが要求される心・大血管手術では有用である. このように, 心・大血管手術においてもロクロニウムは安全で有用であるが, 合併する臓器障害によっては筋弛緩作用が遷延することがあるため注意が必要である.
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© 2008 日本臨床麻酔学会
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