日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
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原著論文
用手的頸部正中位固定下でのエアウェイスコープ挿管の検討
鈴木 昭広山本 邦彦山本 純子阿部 展子三田村・南・小百合岩崎 寛
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2009 年 29 巻 1 号 p. 56-60

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抄録
  顔面・頭部外傷の際, 気管挿管時に頸椎への負担を軽減する目的で行われる用手的頸部正中位固定 (manual in-line neck stabilization: MILNS) が, エアウェイスコープ® (AWS) による気管挿管に与える影響を60人の予定手術患者で調査した. MILNSによりマッキントッシュ型喉頭鏡では喉頭展開所見が有意に悪化したが, AWSでは全例でCormack grade 1の所見であった. 気管挿管に要した時間は平均27秒で, 挿管の難易度を示すIntubation Difficulty Scaleは全例で0点と容易な挿管が行えた. AWSを用いる場合, MILNS操作は後屈と開口を制限するため通常のAWSの挿管操作よりもブレード挿入に時間を要するものの, 良好な喉頭所見を得たうえで容易な挿管ができることが明らかとなった.
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© 2009 日本臨床麻酔学会
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