日本臨床麻酔学会誌
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原著論文
小児鼠径ヘルニアの術後鎮痛について
松本 睦子倉迫 敏明仁熊 敬枝八井田 豊石井 典子小倉 麻耶
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2009 年 29 巻 2 号 p. 199-203

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抄録

  1歳から7歳までの小児鼠径ヘルニア170症例について, (1)腸骨鼠径神経ブロック (n=22) , (2)腸骨鼠径神経ブロックとフルルビプロフェン静注 (n=24) , (3)腸骨鼠径神経ブロックとアセトアミノフェン座薬 (n=28) , (4)皮膚切開予定部 (皮切部) への皮下局所麻酔とアセトアミノフェン座薬 (n=96) の各鎮痛方法で, 術後の痛み・不機嫌, 鎮痛薬の投与, 投与までの時間, 嘔吐について後ろ向きに検討した. 各項目はそれぞれ, (1)は16例 (73%) , 6例 (27%) , 0. 88時間, 1例 (4.5%) , (2)は10例 (42%) , 8例 (33%) , 2. 8時間, 0例 (0%) , (3)は8例 (29%) , 1例 (3.5%) , 0.33時間, 0例 (0%) , (4)は10例 (10%) , 1例 (1%) , 6時間, 1例 (1%) であった. 小児鼠径ヘルニアの術後痛に対して, 皮切部への皮下局所麻酔とアセトアミノフェン座薬の投与が有用であった.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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