日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第28回大会 パネルディスカッション—効率的手術室運営における麻酔科医の役割—
地域基幹病院から見た効率的な手術室運営
横田 美幸塩谷 賢一関 誠
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2009 年 29 巻 4 号 p. 433-442

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抄録

  最近の医療制度改革により, 手術室の効率的運営が求められている. このためにはユーザーである外科系各科の要望分析が必要である. まず, 入院期間の分析 (入院後手術までの期間に無駄がないか?) , 待機患者数の月別変動, 入院待ち日数を各科別に分析する. 次に各科の手術枠使用の評価を行い, 手術枠配分の適正化を図る. また, 手術部への業務負担の大きな, 緊急手術や夜間・休日手術の時間, 内容の分析を行う. これらの情報をもとに, 麻酔科医は麻酔業務のみならず手術部の業務であるスケジューリングの適正化, スタッフの適正配置, 人員計画, そして薬剤師や臨床工学技士, 助手への業務の分業化, 手術件数の将来予測, ひいては手術室増設計画など, 広汎な仕事に積極的にかかわっていく必要がある. このように広い視野に立つことにより, 効率的な手術室運営が可能である.

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© 2009 日本臨床麻酔学会
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