2010 年 30 巻 2 号 p. 203-208
肺血栓塞栓症 (pulmonary thromboembolism: PTE) の死亡率は高く, その原因となる深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis: DVT) を含む静脈血栓塞栓症 (venous thromboembolism: VTE) の周術期管理に習熟することが重要である. 外科手術では術後出血のリスクが常に存在する. しかし, VTEの治療では血栓溶解という, 相矛盾する目的を達成しなければならない. 外科医は出血リスクとVTEの重篤度を考慮して術後のVTE治療を注意深く行う必要がある.