日本臨床麻酔学会誌
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慢性期高位脊髄損傷患者における自律神経反射亢進に対してレミフェンタニルを使用した1例
小寺 厚志上妻 精二宮崎 直樹瀧 賢一郎江崎 公明
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2010 年 30 巻 3 号 p. 485-489

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抄録
  慢性期高位脊髄損傷患者における麻酔管理では,異常高血圧などの自律神経反射亢進が問題となる.症例は60歳の女性.20年前の頚髄腫瘍術後よりTh2以下の完全麻痺を認めていた.今回,胆石症および総胆管結石症に対して手術予定となった.麻酔はプロポフォール,レミフェンタニルによる全静脈麻酔としたが,自律神経反射を完全には抑制できず,血圧コントロールに難渋した.術中における自律神経反射亢進の予防やその発症に対応するための適切なレミフェンタニル使用方法に関する今後の検討が必要である.
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© 2010 日本臨床麻酔学会
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