2010 年 30 巻 4 号 p. 567-576
ファイバースコープガイド下気管挿管(ファイバー挿管)は,気道確保困難に対する管理(DAM)において中心的な役割を担っている.米国麻酔科学会のDAMアルゴリズムにおいて,ファイバー挿管は,(1)予期した挿管困難症例の意識下挿管方法,(2)予期せぬ挿管困難症例の全身麻酔下の代替挿管方法,(3)挿管不能,マスク換気不能時のラリンジアルマスクを通しての挿管方法,の3点に位置づけられている.ファイバースコープは,現在のDAMにおいても,将来のDAMにおいても,欠くことのできない器具であり,ファイバースコープを利用した挿管方法は,すべての麻酔科医が習得し,いつでも利用できるようにしておくべき手技と考えられる.